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Brand new Smile
庭のムスカリが、花芽をのぞかせはじめました。
このムスカリ、よく見かけるしゅるしゅると細い葉ではなく、赤ちゃんのおくるみかお地蔵さんにも見える、そんなちびっこムスカリです。
春の嵐が過ぎて、次の季節がやってくる。

いつも決まった人とのやりとりばかりの私の携帯に、妙にこのところ武蔵野市方面から電波が届く、変なのって思っていたら、その中に、寂しくなるお知らせがふたつ、混ざっていました。
ふたつ、どちらもトレプチ自転車がいつも停めていた道の片隅の、すぐそばのお店が、お辞めになるっていうお知らせでした。
今日のブログは、わたしの大事な何人かの人のことを書こうと思います。

包材屋さんのオバサンは、無花果のお菓子が特に好きで、雨が降って来るといつも「たいへん、ほらお菓子が濡れちゃうよー!」と自転車の箱に傘をさしかけてくれました。
横道の居酒屋の岩見さんといつもおしゃべりしながらお菓子を選んでた。
この小屋でお菓子を作るようになってからは、自転車で来るんじゃ大変だからって、オジサンはお店を閉めてからの帰り道、いつも遠回りしてケーキの箱なんかを配達してくれました。
もうひとつのお店、ホンダさんのお店は、古いおもちゃや雑誌だとか、エプロンとか、可愛いのがいっぱい並んでるところ。
わたしは、古い雑誌「NEWYOKER」の文字や絵や大きさが好きで、よく手にとって眺めました。
そして隣の本屋さんやほぼ外で冬は寒々の花屋の女の子や、地下のカオリチャンなんかと一緒に、自転車のお菓子をのぞきこんだ。
わたしが土日の人混みにくたびれると、いつもさっさとこの道に逃げてきては、アッチ混んでた〜!だとか、今日は寒いね、暑いね、とか、ここは平和だとか、暢気に空を見上げたりしていました。

小屋で作るようになってから吉祥寺はうんと遠い場所みたいになっているけれど、この2つのお店は、オジサンオバサンとホンダさんは、最初からずっと、全く変わらない瞳でトレプチに接していてくれた。
街はきっとどんどん変わっていったのに。
ほんの時々、心配してる目をしてたけど、トレプチはいつだって大丈夫です。
なんてったって野良道育ちですからネ!
寂しいけれど、いつか小屋に来てもらえたら嬉しいなあって、また会える日を楽しみにすることにしました。

まだ小さな女の子だった頃に出逢った朋ちゃんは、沢山の、きっと心がうんと苦かった出来事をひとつひとつ乗り越えて、この春無事に美大を卒業しました。
おめでとう!
卒業制作で描いたトナカイは、学校でナントカ賞をもらったのって、夜待ち合わせた定食屋で話してくれました。
賞をもらって当然だ!!と私だっても思う、ものすごく素敵に可愛いトナカイです。
就職活動も、マイペースでがんばれよ〜。

そして昨年秋から小屋でもお預かりしてきた「フリンジ」、4号目ができあがっています。
既にのこり半分になりました。
フリンジはこの号で休刊されるそうですが、編集長の藍子ちゃんご自身は、新しいスタートをきりはじめました。
少なくとも、小屋に来てフリンジを持ち帰ってくださった何人かの方々は、藍子ちゃんのことをきっと、そっと何処かで応援しているはずだよ、藍ちゃん。
年明けはなぜだか、北海道や岡山や広島や京都にも、フリンジは一緒に持って帰ってもらえたのだから。
いつか続けることが辛くなった時は、こんなフリンジのことを思い出して、仕事や自分の気持ちに向き合って、道を歩いてみてね!
藍ちゃんはきっと大丈夫。
* *
そんなわけで、最近わたしがお菓子を焼きながら聴いている曲の中から、包材屋さんとホンダさんと朋ちゃんと藍ちゃんに、うたを贈ります。
歌手だったら歌ってあげたいんだけど、残念ながらお菓子しかつくれないので‥。(笑)
「Tomorrow Waltz」
toshinobu kubotaさんの、優しいうたです。
明日が晴れますように。
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by trespetits | 2012-03-31 22:58 | お知らせ
3月のいろいろ
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夜になると肌寒かったり、風が強かったり。
曇り空の多い3月ですが、今日はのんびり、静かな木曜日です。
学校は春休み?

小屋の庭からは、ちびっこの球根の芽がのぞきはじめています。
シジュウカラやメジロが地面をついばんでいたり。
だんだんに春、です。
テーブルには柑橘類を色々組み合わせた焼き菓子たちいろいろ、です。
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by trespetits | 2012-03-22 14:25 | お知らせ
空のリボン
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青空が見えたかと思えば風が冷たくて、でもようやく開いた梅の花がまぶしい今年の3月、そろそろ半ばです。

先週土曜日の夜、仕込みを終えて自宅に戻ると、昨年の大震災の夜に新日本フィルが演奏したというマーラー五番のドキュメンタリー番組が始まっていました。
演奏そのものは細切れな音楽でしたが、当日直後の楽団員たちの素の言葉や、イギリス人指揮者がことを受け止めるその芯力と共に、その晩会場に足を運んでいた少ない聴衆の方々の感情、いろんなことがあわさって、いざ挑み音楽をしている時間が、記録された番組内容でした。

(あしたの日曜日、お客さんは小屋にお菓子を買いにくるのかなぁ。もし誰もこなくて、一人で店番していたら、きっと私は思い出したりして心細くなるのだろうな。)
そんなことを考えながら、でも、ただ淡々と黙々と作っていた夜のあとに聴いたマーラーでした。
(日曜日はいつものようにお客様がいらして、でもどこか、誰かが誰かと一緒にいようとしている、そんな優しい一日でした。皆様有り難うございました。)

ああいうことを何か書こうと思っても、わたしには正確に言葉や文章にはできないのだけれど、あの音楽が、私の心の奥に届いていたのは確かで、
(私もこうして明日はお菓子をまた焼いて、店を開けていよう。)そう思いお布団に入りました。

私は全く知識は無いけれど音楽がとても好きだし、クラシックもジャズも日本人の歌も、どんなのも聴くけれど、マーラーの曲は有名なアダージョ部分くらいは知ってはいたけど、
あの演奏から心に届いてきたのは、時空も感情も全てを越えてやってくる、例えるなら愛や祈りのようなものに私には受け止められた。
音の魂、おとだま、という言葉はあるのかしら。
あるならばそんな感じ、きっと。

昨年3月には、忘れようにも忘れられない事が実際に起こってしまいました。
それからあっという間の一年だった。
今年の春もまだ冷たいのだけど、一つ一つ今の春のお菓子を焼いているトレプチ小屋です。
ふー、晴れた青空の下、散歩がしたいデス。
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by trespetits | 2012-03-13 18:05 | お知らせ